雑記帳

読んだり観たりしたものの記録。ネタバレと正直な感想しかありません。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を観た

※ネタバレと個人の見解しかありません。

※浅いファンの独り言。

 

 

 

 

 

3月にみてきました。

 

最初に思ったのは、

ゲンドウくんよかったね

庵野監督の依代はシンジからゲンドウになったんだな。だからユイ抱きしめエンドができたんだな。

でした。

 

あと!
アスカが辛い終わり方でなくてよかった!!!

 

この映画を観る前、私は世の中の流れと逆行して、ネタバレを漁りまくった。
もちろんみた内容については、ネットでもリアルでも一切口外していない。

 

私はともかくアスカに幸せになってほしいと思っていた。
作品としてどんなに名作に仕上がっていようと、アスカが悲惨な目にあったままのエンドなら私にとっては駄作なのである。


悲惨な目にあうなら観ないでおこうとも思っていた。
他の部分も知ることになっても、アスカの健やかな姿を確認せねば観れない。
悲惨なエンドなら私の中では永遠の未完とすると決めていた。

 

だから本当によかったねえ…と。

 

正直あのままくっつかれてもイラッとするけど(かつて加地さんにもシンジにもイラッとしたので、多分誰であっても駄目)、まあ28歳だとまだ色々起こるよね!
アスカの未来は明るいけどまだまだわからないからね!と受け入れ完了。
浜辺の告白リプライズにイラッとしたことは否めないけど…お気付きかと思いますが、私はシンジのことがそんなに好きではないので…。

 

そういえばネタバレ感想で、カップリングが全部固定された!と嘆いているひともいたけど、私はそんなことないんじゃないかな~と思った。
特にレイとカヲルくん。
シンジはマリと手を取り合ってエヴァをでていった(?)けど、最終的な執着点をみせたわけじゃないし…と。
違ってたら申し訳ないけど、余白ありエンドだと個人的には感じましたよってことで。


それでもってゲンドウとシンジ。
監督が「誰でもいいからとにかく愛されたい」から「このひとを愛し、このひとから愛されたい」に人生がシフトしたから、エヴァンゲリオンの軸もシンジからゲンドウにスライドしたのかなあと。

 

正直、新劇をみるまで、「ゲンドウくん…君の望みは叶わないよ…ユイさんのプライオリティは《愛する人との息子であるシンジ》を生かすことになっちゃってるもん…」と思っていた。
実際、物語の流れについてもそうだったと思う。
シンジが愛を乞う話である以上、妻のユイではなく母のユイが前面にうちだされるのは当たり前だったし。
現実でもあるあるの話だと思う。

 

それが今回、最後の最後でユイが母から妻になった。
びっくりした。

 

物語の心理描写も、明らかにシンジよりゲンドウのそれの方が丁寧に描かれていた。(余談だけど、ゲンドウの心理描写のとこ、すんごいジブリジブリしてるならと思ったら、エンドロールにジブリの方のお名前がたくさんあった。ジブリだった)

 

私はユイのことが苦手だった。
エヴァの中でなに考えてるのかわからなくて怖いトップ2のひとりだったからだ。
人間味が感じられないというか…。(嫌いというわけではない)

最後まで考えていることはわからなかったけど、グッドエンドだったなあ…というのがユイに関する感想。

 

ちなみに、何を考えてるのかわからなくて怖いトップ2のもうひとりは冬月。
こちらは新旧通じて、最後まで何を考えているのかわからなかった…。
わからないのに、淡々と色んなことを遂行しているのが怖かった。
冬月って、最後まで心の交流が誰ともなかったような…強いていえばゲンドウなんだろうけど、お互いの内面に踏み込んではいないし…。
得体のしれない傍観者だったなあというのが、冬月に対する感想。
あのひと、本当に何だったんだろう。


ミサトとリツコとマヤは格好良かったなあ…リツコが残ったなら、この世界は大丈夫。(旧劇までだとこの感想はうまれなかったな)


話はちょっと戻るけれど、うまくいっていない父子、亡くなった妻を追い求めすぎる父、愛を欲しがる息子、カセットテープというと、1960年代のイタリア映画「天使の詩」を思い出す。


そしてマリ。
マリに関しては「大勝利だね」と思った。

 

映画をみるまえにこちらの考察を読んで、なるほどおおおと目から鱗が落ちまくったんですが、映画をみても「これめっちゃあってるわ…すごいわ…」と思った。

いや、映画の中で明言されなかった以上、本当のところは監督にしかわからないんだろうけれど、私にはこの考察がしっくりきた。

 

moon.ap.teacup.com

で、これを踏まえた上での感想は「マリすごいな。これでシンジと結婚までいったら、ユイの遺伝子と自分を繋げられちゃうんだよ」だった。


気持ち悪くてすみません…。
いや多分シンジのこともシンジとして好きだろうと思うんだけど、こっちの感想が先に来た。
マリ、大勝利。

 

映画をみていて唯一の不満は、エンドロールが長すぎたことですかね…。
途中から余韻もなにもなくなり、まだかな…まだあるんか…と思ってしまった。
すみません。

 

あと最後に。
考察は色々あれど、ただひとつ確かなことは、ビューティフルボーイは庵野監督だったってことですな。
あんなにピタリとくるとは。